アジア４カ国代表共同声明

　核兵器廃絶のために共同で活動する我々は、アジア諸国と日本の平和、相互理解と友好の促進を願う立場から、日本政府による「新しい歴史教科書」の認可と、予定されている小泉首相の靖国神社公式参拝に深い懸念とつよい遺憾の意を表明する。

　日本軍国主義による侵略戦争と植民地支配の事実を歪曲し、これを美化する試みは、アジア諸国と日本の善隣友好、相互理解を損ない、アジアの平和への重大な脅威となるものであり、我々は断じてこれを容認することはできない。日本政府がこうした姿勢をとりつづけるならば、それは、アジアでの孤立と矛盾を深めざる得ない。

　日本軍国主義の侵略と植民地支配の犠牲を強いられた歴史をもつ中国、韓国、フィリピン、ベトナムをはじめとするアジア諸国の平和運動は、侵略戦争の真の反省を自国政府に求める日本の平和運動と深く連帯し、以下の点を要求する。

１，日本政府は、アジア諸国からおきている厳しい批判に真摯に耳を傾け、侵略戦争を美化する「新しい歴史教科書をつくる会」編の教科書を認知する誤った立場をただし、再び過ちをおかさないこと。

２，小泉首相は、侵略戦争に国民を動員する道具とされ、いまも戦争犯罪人を奉る靖国神社への公式訪問を行わないこと。

２００１年８月５日

ヌ・チャン（中国人民平和軍縮協会）

イ・ユジン（韓国緑色連合）

コラソン・ファブロス（非核フィリピン連合）

ドゥイ・トゥイ・クァック（ベトナム平和委員会）